YTS測定技術検討余話           2004年5月24日 月曜日

人目

カチオン性界面活性剤の測定方法

カチオン性界面活性剤の測定例としてTTABを試みた。アニオン性とかジェミニ型と比べると極めて簡単であった。水測定方法をマスターしたらカチオン性を練習測定するのも良い。

ジェミニ型界面活性剤の測定方法

ジェミニ型界面活性剤の測定はアニオン性界面活性剤以上に難しいと考えて良い。
吸着平衡時間を一般的な方法で検討すると正確に定めれない。
漸減傾向が著しく1時間経過しても安定しない。
ウィルヘルム法で測定する場合はこの状況から吸着平衡時間が数時間必要と考えている様だ。
分子量から考えて長くなる筈は無いとの前提で検討した。
滴容法ではガラスキャピラリで液滴をぶら下げて静置しておく時間を吸着平衡時間と規定している。
キャピラリ側面下部と端面部に於いて何らかの表面張力低下原因が発生すると考えた。
この原因を濃縮擬きと考え測定ソフトを改良して対応させた。
結論としてジェミニ型界面活性剤の測定は可能になった。
詳細は実測データーを整理出来次第公開する。

アニオン性界面活性剤の測定方法確立

SDSに続きSPFOのCMCを測定した。
滴容法で難しいと考えられているアニオン性界面活性剤表面張力は、装置改良と測定手法の確立で簡単に測定可能になった。
SPFOの場合は専用シリンジを開発しただけで本来測定可能であった。
不揮発性界面活性剤の測定濃度は数ミリモル程度であり相当高濃度と考えて良い。
洗浄等に厳密な技術を要すると思いこんでいる研究者が多い。
測定上の問題点を厳密に理解すると洗浄方法は一般分析程度で充分であった。
特にアニオン性の場合は流水洗浄だけと言って過言では無い。
SDSの測定を難しくしているガラス表面への濡れ易さをシリコナイズ処理により軽減しても測定精度は思うほど向上しなかった。
測定方法の改良で最終的に問題を解決した。
濡れ良さに起因する問題はウィルヘルム法による測定でも起こっている。
同じ試薬でも滴容法に比べ非常に長い吸着平衡時間を要すると考える原因になっている。
厳密な温度平衡は極めて難しくシャーレ入れた試薬を測定する方法では出来ないと考えるのが正しい。
公開した実測データーと比較すれば明確な判断ができる。
CMCの検討なら測定点数を10点前後に取るならば1日で完了できる。
現在の性能を知らずに滴容法は使えないと思っている研究者は多いが、公開したデーターを良く読めば表面張力測定に滴容法が精度・再現性共に有効と思い直す。